
プログラミングを初めるため購入したMacBookAirだが、もう6年5ヶ月が経過した。BootCampでWindowsも併用していたが、ここにきて両方のOSが使い物にならなくなってきた。
MacOSはAppleの陰謀により日に日に重くなってくる。一方のWindowsは2025年10月にサポート終了だ。Windows11へアップデートしなくてはいけないが、TPM2.0非対応により不可能だ。20万もかけたMacBookAirともついにお別れか。そんなおり、「MacBookAirにLinuxを入れてWindowsのように使える」という記事を発見した。
これだ!と思い早速調べてみる。
MicrosoftやAppleの陰謀から逃れられるのなら、それは即ち「お金が浮く」ということだ。
OSを変える大きな障壁になっているのソフトだ。「このソフトが使えなくなるからOSを変えられない」と嘆く人は多いだろう。しかしながら、昨今はブラウザで動くソフトも多く、画像編集、動画編集、音楽編集などはWebからユーザー登録して無料でき、様々なソフトがあり溢れているため、問題にならなくなってきた。
ストレージ分割
とはいえ、MacOSとWindows環境も完全に手放すわけにはいかない。様々な場面を想定して、一応使えるようにしておかなくてはならない。
そこで、512GBのストレージを再配分することにした。これまでの250GB(MacOS)、250GB(Windows10)から、100GB(MacOS)、100GB(Windows10)、300GB(Ubuntu)の三分割にすることにした。
今まで使い込んだストレージをまっさらにするのは正直ドキドキした。バックアップを取ったとはいえ、6年分のデータとアプリケーション環境を一旦リセットするのは勇気がいる。
OSインストールの現実
MacOSとWindows10の再インストールまではスムーズに進んだが、UbuntuをUSBに入れて起動ディスクを作成する作業でつまづいた。Windows並走だけならBootCampで簡単にできるのに、3つ目のOSとなると話は別だ。
普通の人ならば絶対に手を出さないであろうOSの再インストール。学生時代に先輩の指導の下で自作PCを組んだ経験があるため、私自身にはOSインストール自体に抵抗はない。以前ならひたすらググって調べていたが、今はAIが頼りになる。すでに欠かせないツールとなっている。
rEFindやら、balenaEtcherやら聞いたこともないソフトに頭を抱えながらがんばってみた。
AIとの格闘
ChatGPTは確かに賢いが、無料版は途中で制限がかかってしまう。そのため、長時間を要しそうな作業はGeminiに頼ることが多い。しかし、今回Geminiを使ってみてそのアホさに失望している。2つ前の質問で「それはできない」と言ったばかりなのに、平気で不可能な手順を指示してくる。困ったものである。
Wifiドライバ地獄の始まり
Ubuntuのインストール自体は完了したが、ここからが本当の試練だった。WindowsやMacOSなら自動で接続されるWifiが、Ubuntuではドライバをいちから入れる必要があるのだ。
本来なら有線LANでインターネットに接続し、コマンド一発でドライバをインストールできる。しかし、MacBookAirには有線LANがない。つまり、Webがつながっている別のPCでドライバをダウンロードし、USBで移植するという原始的な方法を取らざるを得ない。
依存関係の迷宮
頼みのGeminiと格闘しながらドライバインストールを試みるも、次から次へとエラーが発生する。「libssl1.1が見つからない」「gcc-9が必要です」「kernel-headersがありません」…一つ解決すると新たな依存関係が現れる。
公開されているフォルダから該当するドライバを探し出し、一つずつ手動でインストールしていく作業は、まさに苦行だった。MacBookAirのWifiチップはBroadcom製で、Ubuntu標準ドライバでは動作しないらしい。proprietary driverという特別なドライバが必要らしい。
結局、ドライバの依存地獄に陥ることを察し、850円でUSB-LANアダプタを購入し、有線接続してコマンド一発で終わらせることを決意し、Amazonをポチした。
が、それでもあきらめきれず、調べたところiphoneをBluetoothで接続し、Webにつながるという記事を見つけた、しかしやってみてもだめ・・・。それでもあきらめきれずUSB接続してデザリングしてネットにつながることがわかった。そしてやってみたところ見事に成功した。そして850円のAmazonの買い物は無駄になった。
三刀流の完成
苦労の末、MacOS・Windows・Ubuntuの三刀流体制が完成した。起動時にOption(Alt)キーを押せば、MacOSとWindowsを選択できる。そのまま立ち上げればUbuntuが爆速で立ち上がる。
Ubuntuの動作は予想以上に軽快で、6年使い込んでもっさりしたMacBookAirが、まるで新品のような俊敏さを取り戻した。起動時間はMacOSの半分以下、アプリケーションの立ち上がりも格段に速い。これなら、まだまだ現役で使い続けられそうだ。
MicrosoftとAppleの思惑通りにアップグレード商法に乗っかる必要はない。賢い消費者として、Linuxという第三の選択肢で既存ハードウェアを最大限活用する道を見つけることができた。