2023/06/06
2024年春、アメリカではセミ(蝉)が大発生すると予測されている。
日本ではセミは7年、土の中というイメージが強い。
世界中にいるセミたちも同様、土の中にいる期間は長い。
中でもアメリカのセミの中には13年間(13年セミ)、更には17年間の(17年セミ)もいるそうだ。
2007年に大量発生した17年セミが成虫になるのが今年、2024年の春。
13年セミの大量発生も今年予測され、221年に1度の大発生になるかもしれないようだ。
アメリカのセミが成虫になるまでなぜ13年、17年という時間を要するのか?
それを解明したのが日本人の科学者だそうだ。
面白そうなので本を読んでみた。子供向けと、大人向けがあったので両方読んでみた。
【結論】
純血でないと生き残れなかった。
【概要】
著者は数理生物学者なので、数字の話が多い。そのため詳細は本書を読んでいただきたい。ここではざっくりと解説する。
メカニズムを理解する上で、メンデルの法則を知る必要がある。
懐かしい法則が出てきてなかなか楽しめた。豆のしわのやつ。
まず、地球の歴史として過酷な氷河期が何度もあった。特に北米はその影響を大きく受けているという。
その氷河期を生き抜く上で、17年セミが他の種と交配してしまうと、混血が生まれ、17年周期で繁殖することができなくなってしまい、オスとメスが出会う確率が減ってしまう。そのため淘汰されたのだそうだ。
ここでは、この周期が素数であることが重要である。
17年周期を持つ純血種は他の種と出会う確率が低い。
例えば16年周期のセミが8年周期のセミと交配した場合、16年セミの純血は8年セミと16年後に出会ってしまい純血を保てない。
一方、17年セミと8年セミだったら17年セミは8年セミと17年後に出会わず、純血を保てるのだ。次に出会うのは136年後。それまでに純血を増やせることになる。
だから素数であることが重要なのだ。
普段は夏の猛暑を感じさせる厄介なイメージのセミだが。本書を読むとセミの生態がとても面白いものだということに気付かされる。
『風が吹けば桶屋が儲かる』
の理論で、セミが大発生したら誰が儲かるのだろうか?
そんなお金のことばかり考えてしまう自分が情けない。
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