2023/06/06
批判を覚悟で年収を爆上げする邪道の薬剤師転職方法を紹介する。結論から言う
「転職仲介業者は情報収集のためだけに利用しろ」
大手、中小8社の薬局グループを経験した私が、他では絶対に教えてくれないような内容を紹介する(学生時代の薬剤師バイト4社、社会人4社)
アフィリエイト目的の転職サイト比較ページの口コミよりも1万倍!役に立つと自負します
【目次】
ステップ1:転職サイト3社に登録し情報収集
ステップ2:転職先の薬局グループホームページを熟読
ステップ3:3社にしぼりアポを取る
ステップ4:交渉術を活かし年収をできるだけ上げる
ステップ5:薬局見学は必ずする
ステップ6:内定を最低2社もらう
ステップ7:仲介業者担当者に転職先が決まったことを伝える
転職仲介業者の気持ち
まとめ
続編:Mナビ薬剤師にほめられた話
転職サイト3社に登録し情報収集
薬剤師転職サイトはたくさんあるが、名の通っている3社くらいでいい。持っている情報はどこも同じようなものだ。当然、登録料は無料だ。
あまりたくさん登録すると、その分だけ電話がかかってくるため頭が回らなくなるので注意
転職時期は6ヶ月以上先としておこう(理由は後述)
転職サイト一覧のリンクを貼っておく。ここから飛んで登録していただくと嬉しい(大人の事情で)
ちなみに登録なしでも公開求人が見れるここはオススメ👇差し当たりどんなものがあるか見てみよう
登録後、各社一斉にメールや電話がくる
メールの場合は「現在は情報収集してる」ことを強調し、良さそうな求人があればメールで欲しいという旨伝える
電話がかかってきた場合も同様に「情報収集している」ことを伝えよう、転職時期が数ヶ月以内だとグイグイ来られるので注意しよう
仲介担当者との面談を設定されるが直接会う約束はしないほうがいい(理由は後述する)
他社にも登録しているか?と聞かれた場合は「登録している」と言う
どこに登録しているか?を聞かれたら「他の大手です」とだけ言っておこう
具体的な社名を求められたら素直に1社だけ伝えよう
情報収集
登録を終えたら各社の求人検索で自分の希望に合う薬局(グループ)を3〜5件ほどにしぼる
転職サイトによっては非公開の情報を掲示し、面談する場合に教えてくれるが、メールで「面談はまだ考えていないけどこの求人て教えてもらえないですか?」と言えば教えてくれるケースもある。
各社の情報が出そろい吟味すると当然かぶる案件がある。田舎は特に。
その際、非公開となっているものでも求人のキャッチコピーや門前の情報などで他社と一致し、わかってしまうこともあるのでいろんな情報を集めよく目を通しておこう。
採用担当者はグループの店舗一つ一つを登録するため、どこの業者に登録してもキャッチコピーはコピペ だ
「残業なし!完全週休二日、福利厚生充実、高収入応相談」
「〇〇駅から徒歩8分」
「皮膚科、1日平均50枚」
このようなキーワードで特定できるのでよく見てみよう
薬剤師年収の相場
年収は400万円〜800万円が相場
良さそうな案件があれば仲介担当者に自分の経験、スキルで現状どのくらいの年収になるかきいてみよう
求人情報が「管理薬剤師で550〜650万円」となっていても、個別指導経験、薬歴担当経験などで650万円以上を提示してもらえることもある
電子薬歴が普及したこともありPC操作が得意な人材も喜ばれる
・Windowsの強制終了 Alt + Ctl +Delでタスクバーを開くことができれば「PC得意です」と言っていい
・トラブったらとにかく再起動という概念があれば「PC得意です」と言っていい
・Excel関数でIf文が構築できれば「Excel得意です」と言っていい
VLOCKUPができればヒーローだ
そんな世界だ
800万円を超える案件はそれなりの理由があるので確認しよう。離島、山奥、陸の孤島の勤務地だったり、毎日100枚を一人でやるケースもある。門前の先生がイカれていて薬剤師がすぐに辞めてしまう薬局かもしれない
地域差がかなりあるが、私の印象だと薬剤師の年収はざっくりと以下の通り
勤務薬剤師 400−550万円
管理薬剤師 500−700万円
エリアマネージャー(管理薬剤師の上司)600−800万円
転職先の薬局グループホームページを熟読
興味のある薬局グループのホームページを検索し、採用情報を確認しよう
グループのホームページがないところは問題外なので除外
手作り感があるホームページも除外
ホームページからわかる薬局事情も別件で解説したいと思う
ホームページの薬剤師採用情報に給与が書かれているところと書かれていないところがある。この有無に大きな差はないが、ホームページの年収と比べ仲介業者から入手した年収が高ければ交渉次第で高収入での採用の可能性がある。
3社にしぼりアポを取る
採用担当者の名前、電話番号、メールアドレスを見つけたら転職の意思のあることを伝え面談のアポを取る。
メール例文はこんな感じ
株式会社◯◯ 採用担当◯◯様
突然のメールで失礼いたします。〇〇市在住の〇〇▲▲と申します。貴社のホームページの薬剤師採用情報を拝見し、詳細を伺いたくご連絡差し上げました。
〇〇店と〇〇店において、中途採用の枠がございましたら、ぜひ応募させていただきたく存じます。
ご興味をお持ちいただけましたら、面談の機会をいただけますと幸いです。
お返事をお待ちしております。
敬具
〇〇▲▲
連絡先: [電話番号]
交渉術を活かし年収を上げる
ここで仲介業者と薬局採用担当者の考え方を学んでおこう
薬剤師の人材不足は言うまでもない
採用側はとにかくいい人材が欲しい、一方で人件費は抑えたい
薬局が仲介業者に払う手数料は年収の20−40%と言われている
仲介業者は人を紹介するだけで何百万も入ってくるのだ
仲介業者の担当者はコミュ力MAXだ。薬剤師の承認欲求をよく理解している。
仲介業者は転職を考えている薬剤師を見す見す逃すわけにはいけないから、面談などを密にして人間関係を構築するのも仕事だ。
人間の心理として自分を褒め称えてくれる人、味方である人を切り捨てるのは心苦しい
したがって、仲介業者と仲良くなりすぎると断れなくなるのだ
それを見越して仲介業者との面談はしない方がいい、あくまでも情報収集の道具として使うことだ
一方、中小の薬局側がホームページを入口にして薬剤師の中途採用ができることはほぼない。ちなみに大手は多少ある
だから、仲介業者に何百万も払わなくていい分、薬局側は喉から手が出るほど欲しくなる。だから多少年収が上がっても採用する傾向になる。
そこをつく🎯
薬局がコンビニよりも多いと言うのは有名な話だ。
建てれば儲かる
薬局グループは税金を払うくらいなら薬局を増やした方が儲かる
だからどんどん建てる
人員が少なくても開業するドクターの門前の話は舞い込んできて採用よりも先に建設の話が進む
そしてあれよあれよと言う間に出店の日が近づき喉から手が出るほど薬剤師が欲しくなるのだ
勤務薬剤師 38歳 年収:800万円
管理薬剤師 29歳 年収:600万円
この逆転している二人が一緒に働いているところを私は目撃したことがある
自分を過小評価されないようにするのも人生において大切なことである
面談の約束ができたら現在の年収と希望年収をはっきり言えるようにしておこう
年収が下がる転職はあり得ない
面談の際、結局金の話になるのだが、印象を良くするため、志望動機は適当なテンプレートを用意しておこう
ホームページの社長の「ごあいさつ」を褒め称えてもいいし、会議をやっている写真を見て「教育制度がしっかりしてますね」と褒め称えてもいい。
結局、双方金の話で落ち着くので
「なかなか昇給が見込めず、年収アップのために転職を考えました」
そう素直に言ってもいい
交渉相手が社長だと話が早い、グループが大きくなると採用担当者が社長の了解を得る必要があり勢いに欠ける
薬局見学を必ずする
薬局見学は必須だ、チェックすべきところを「人」「物」「内容」に分けて考える
人
見学者が来た時のスタッフの愛想は重要だ。全員と目があって挨拶できただろうか?すみっこで知らんぷりしている人はいなかったか?そんな人がいたら要注意
白衣の汚れ方、髭、爪、髪型、髪の色など清潔感のあるスタッフか
外見は人の心を映し出す鏡だ
お昼時に見学者がきても溜まった薬歴をひたすら書いている薬剤師がいる店舗は要注意
年齢の偏りがないか
若い年齢層ばかりだとすぐに辞めてしまう人が多い。
高年齢層ばかりだと新卒採用できてない、教育システムが不十分のため即戦力ばかり採用する、人を育てられない
物
調剤棚、調剤台が整頓されているか
PCのデスクトップがファイルだらけになっていないか
貼りっぱなしの古い掲示物はないか
薬剤師会からくる雑誌やFAX、ポスターが無造作に放置されていないか
積み上げられた投薬待ちのカゴは忙しさを現す
トイレは綺麗か?患者用とスタッフ用が別になっているか
お湯は出るか?→お湯が出ない店舗は経営者がドケチだ
控え室の奥からタバコの匂いはしないか
薬局周辺の草取りはされているか
使いやすい薬歴ソフトか(👉Musubi使いにくい)
監査システムがあるか
黄ばんだ分包機を使っていないか
調剤業務の流れ、レジ打ちの有無
駐車場に駐まっているスタッフの車で、品のない車に乗っている人はいないか
内容
門前ドクターをチェックしておくことが重要
門前ドクターの処方内容を見せてもらう。内科などは風邪セットを見せてもらうことで抗生物質の適正使用をしているか
門前の残薬調整は事後報告にしているか→いちいち電話しているようだと大変です
漢方大好き何でも屋クリニック→勉強にはなるがとても大変
毎朝、門前の意味のない朝礼に参加させられていないか
門前からの診療終わり連絡の有無、手段→電話、色付きクリアファイルなど
クリニックの休憩時間のチェック→クリニックに合わせ昼休みを2時間にされると拘束時間が増えます
社員たくさんいるのに社長が管理薬剤師をやっている店舗→クセの強い門前ドクターに「お前がやれ」と言われている可能性大
門前ドクターが体調を崩して休みがち。1日の処方せんが20枚以下→撤退、売却の可能性あり他に回される
前回の個別指導はいつだったか→近々にやっていて、処方せん単価が低ければしばらく当たらない(変な処方スルーしてたら話は別)
在宅は行っているか
勤務地が自宅から近ければ営業終了時間に終わっているかを確認→夜遅くまで明かりがついていないか確認に行く。熱心な門前の先生は17時受付終了で最後の患者が21時というところもある
内定を最低2社もらう
何社か面談しているうちに自分の評価額がわかってくる。
どこも一長一短あるため最終的には迷うだろう
一方、残念ながら自分の希望条件を満たせない薬局もある。縁がなかったと思うしかない。
内定をもらったら、内容は基本的に秘密だ、それを交渉に使う手もある。その際は明確な数値を言ってはいけない
「自分としては御社にしたいのですが、年収としてはご提示いただいた年収よりも何十万円か差がある、、、」と迷っていることを伝え、上がれば儲け物だ
通勤の利便性など他の理由を盾にして、金の話は二の次にしておいたほうが印象はいい
仲介業者担当者に転職先が決まったことを伝える
この度は、貴社における転職のご支援に心より感謝申し上げます。お陰様で、新たなキャリアのチャンスを見つけることができましたことをお知らせいたします。
ご報告させていただくと、他社での求人に応募し、内定をいただきました。
〇〇様のサポートや助言は、私の転職活動において大変有意義であり、スムーズに結果を得ることができました。本当にありがとうございました。
今後とも、貴社のご活躍を祈念いたします。
上記のようなメールを送ればOKです。
電話でどこで決めましたかと聞かれたら、「それはちょっと、、、申し訳ありません」と言えば問題ない。
メールで聞かれたら既読スルーで問題ない。
ここで注意したいのが、どこの薬局に決まったかを伝えないことだ
仲介業者はせっかく紹介しているのに薬局が仲介業者を出し抜いて直接連絡を取って採用してしまったら最悪だ
薬局としても以後紹介してもらえなくなってしまう
これを防ぐために、概ね情報が集まったらいったん転職活動を辞めた旨を伝えてもいい
転職仲介業者の気持ち
薬剤師転職仲介業者のお客は薬局だ。薬剤師は商品だ
薬剤師の年収に応じて手数料をもらうため、仲介業者はなるべく年収を高くした方がいい
ただ、紹介した薬剤師が数ヶ月で辞めてしまった場合は契約上返金することになっている。そのパーセンテージは薬局との契約で様々だ
おおむね1年働いてもらえれば返金の心配はない、と言うことは1年後にまた転職してもらうと嬉しい
働いている側は履歴書に傷がつくのが嫌だから最低でも1年は働き続けようという心理になる
仲介業者もバカではない、離職率の高い薬局グループはデータとして持っている
離職率の高い薬局グループは金を積まないと人が来てもらえないため年収が高い
結果的にいいお客さんになってもらえるのだ
薬剤師免許を持っていれば今のところ就職には困らない。だから薬剤師は少しでも気に入らないことがあると転職する
仲介業者の商品はプライドの高い人間だからコミュ力MAXの社員が薬剤師の承認欲求を満たすことで、商品価値を上げるのだ
情報だけもらって逃げていく薬剤師などクソくらえと思うだろう
ただ、情報を掲載する手数料を薬局からもらっているため、全く儲からなかったわけでもない。広告料としてお金はしっかり入っているのだ
まとめ
薬剤師の転職には大きなお金が動いていることを知った上で、仲介業者の思う壺にならないよう注意したい
邪道ではあるがこのような手法は住宅を買う場合、車を買う場合では常套手段(じょうとうしゅだん)である
ただ、行き過ぎた交渉はすすめない、仲介業者も人間だ、家族のために稼がなくてはならない
どうか自分を生かせる職場を見つけていただきたい