プログラマー薬剤師 サイトー博士の考え

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ライブ配信アプリ 潜入調査 その結果 《中編》

time 2021/09/15

ライブ配信アプリ 潜入調査 その結果 《中編》

ライブ配信アプリ 潜入調査 結果 前編

↑の続きです。

4、潜入後に崩れた先入観:ライバーは究極の個人事業主

・過酷な競争社会がそこにある

某ライブ配信アプリでは時給制で報酬がもらえる。当然、時給単価は人気のライバーの方が高い。

時給30円からはじまり、トップクラスとなると15,000円を超える。したがって、ライバーはランクを上げようと頑張る。

ここで運営側のうまいところは、人気ポイントを維持していないとランクが落ちてしまうシステムにしているところだ。

人間は一度もらった甘い汁を逃すのは心理的に避ける傾向にある。したがって、ある程度までランクが上がってくると下がるのがもったいなくなってきて、維持するために頑張らなくてはならない。

またまた、さらに運営側のうまいところは、ランクが上がるためには他人の助けがいるところである。

ファンに投げ銭してもらわなければランクは上がらないし、維持もできない。別アカウントを作って自らに投げ銭することもできるが、限界がある。

みんなのおかげでランクが上がっている状態を下げるわけにはいかないのである。

そう、コアなファンは99%課金しているのだ。課金してまで自分を応援してくれているのだ、、、

ランクの上下は1日の集客数や、投げられた投げ銭のポイントに応じて変化する。

そしてそれは「しめ時間」にならないとわからない。しめ時間30分前にランクが維持できるポイントを稼いでいても、他のライバーが追い込みをかけて頑張っていると徐々にランク維持のボーダーラインが上がってしまうのである。

しめ時間が終わるまでおちおちしていられないのである。

ランクが上がれば上がるほど競争社会にその身を置くことになる。

これはあらゆる世界にも共通することであるが、まさに個人の集客能力が試される場所なのである。

・応援したくなる人

リスナーとして色んな人の配信を見ていると、一生懸命やっている人は応援したくなる。科学的に説明がつかないオーラを持っている人がたまにいる。

「憎めないタイプの人」

これに当たると思う。

・ライバー同士のお互い様、渉外活動

どんなに人気があろうとファンの一定数は飽きてくる。そのため、人気のライバーとて新規顧客を獲得しなくてはならない。

逆にかけだしのライバーは自分の配信に興味を持ってくれそうな人の配信を見に行って自分を売り込まなくてはならない。

似たような配信をしている人からファンをもぎ取ってこなくてはならない。

人気ライバーは固定のファンの心をがっちりとつかんでおかなくてはならないため、オフ会やリスナーの2次会に顔を出さなくてはならない。

人気者もあぐらをかいてはいられない、、、

・君達、これが面白いのか?

ライバーは「何を売りにするか?」がコンセプトとなってくる。

先述したが、ライバーのほとんどが女性で「かわいい」を売りにしている人たちだ。

しかし現代は素人でも簡単に写真の加工ができ、ライブ動画配信中も顔が小さくなったり、目が大きくなったり、肌が綺麗になったり、、、

そんな女の子が、「来てくれてありがとう!」「ハートありがとう!」「キャー!そんなにいっぱいありがとう!」とリアクションし続けているだけで一体何が面白いのだろうか?

きわどい下ネタを上手に流すライバーもいて、まさにそこはキャバクラである。

私は個人的にはこういったことに快感を覚えないため、せめて歌を歌っているとか、楽器を弾いてくれるとか、特技を売りにしているライバーを見るようにしている。

また、自分のプロフィールを紹介してくれるライバーもWin-Winだから人気がある。

ライブ配信アプリは大きなくくりではSNSであるため、承認欲求を満たされるところでもある。

「おかえり!」「いつもありがとう・・・」と言われるとまた来たくなるものである。

一方で、ただただ、何もしない配信がが成り立ってしまう一面もある。

システム上それが成り立ってしまう。どんなにつまらないライバーでもコインをもらいたいリスナーとしては一定時間視聴し続ければもらえるのだ。

課金していない人にとってはあちこちのライバーから少しずつコインをもらって、推しのライバーに投げるというシステムになっている。

結果、どうでもいいような配信が乱立する。

ちなみになにもしていない、会話もしていないようなアカウントは運営側でチェックが入りBANされる

・現役薬剤師、役者になりたくてライブ配信はじめました

オーディションイベントが開催されているライブ配信アプリがある。そこにエントリーした人の中で上位になれば芸能界デビューの道が少し開けるというものだ。

現役薬剤師で役者になりたいという女性が、投げ込まれるチップにひたすら「ありがとう」「ナイス〜」と言い続けている配信があった。

次から次へと投げ込まれるアイテムと応援コメントで、もはや機械化した人形のようだった。

アイテムを投げ込む人々はこの女性の何を応援しているのだろうか?この女性の演技を見たことがあるのだろうか?

どこか、「現役薬剤師」という肩書きに、人は寄ってきていないか?そう思わせるところもあった。ドラマの影響か?

世の中は才色兼備をもとめているのだろう。

私もプログラマー薬剤師で医学博士を名乗る以上、どの立場でも責任ある発言をしなくてはならないと身が引き締まった。

・歌が下手だけど、、、顔がそんなに、、、でもファンがたくさんいるライバー

一般的に人はビジュアルの良い人へ集まる、歌だって上手な人の歌を聴いていたい。しかし、私はこの先入観をライブ配信アプリで壊された。

歌が下手でも、ブサイクでもファンは確実にいる。

彼らはリスナーの承認欲求を上手に満たしている。

コメントの一つ一つに反応する。「なにいってるの?さっきも言ってたよね(笑)」

リスナーの背景を知っている。「今日もお仕事? お昼休みできてくれてるの?」

少しのことにも大きくリアクション「ギャー!!!」「おっとっと!」

自分の枠の隠語、流行言葉

配信中の部屋に掲示するファンの貢献度の一つ一つ「ファンのレベル上がりました!ありがとう!」

自身の総合力でいくらでも欠点はカバーできる。

いや、結局 楽しい人の所に人は自然と集まるのだ、、、自分を承認してくれる人に集まるのだ、、、

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感想(3件)

・薬剤師として学ばせてもらったライバーたちの技術

上記のライバーを我が薬局と比較してみた。

我が薬局は普通の門前薬局だ。クリニックから近い、待ち時間が短い。ミスが少ない、、、等々

お客様が来る最低条件は満たしている。

私のようば無愛想な薬剤師でも患者様はきてくれる。

「黙っていても、お客さんが来てくれるような商売ではないか?」

こんなんではいけないと反省した。

幸い我が薬局の事務さんは患者さんの承認欲求をみたすプロだ、薬歴を見なくても患者様の背景、家族構成が頭に入っている。

不足の薬の配達も率先して行ってくれるので、「自宅の庭の野菜が立派だね」なんて話をしてくれる。

では、私に何ができるのだろうか、、、

下記、後編へ続く、、、

【番外編】ライブ配信アプリの闇を見た

 

5、人々がハマる理由、そして失うもの:承認欲求と時間、そして金

・課金する人しない人

・ライブ配信内で使える通貨の仕組み

・爆投げ師、爆投げさん、石油王

・SNS中毒

・ファンマ(ファンマーク)という刺青

6、今後どうなっていくか、COVIT-19と共に:芸能界のピンチ

・ライブ配信提供会社が事務所を作り青田刈り

・ジャーニーズ大丈夫?

・薬局経営者の皆さん、今からYoutube配信は周回遅れです

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